越後三山縦走の思い出

奥山 忠吉

 平成17年9月22日~25日の日程で越後三山を縦走しました。越後三山とは、新潟県の魚沼駒ヶ岳とも言われる山と、中の岳、八海山の三山です。参加者は橋本さん、小松さん、小川さん、小田島さんと私の5人で、22日午後1時半に六郷からマイクロバスに乗り日本海側を走り関越道を経て、枝折峠登山口に到着しバスの中に1泊しました。     

 登山1日目のコースタイムは11時間30分、2日目は8時間30分歩く大変ハードな上級者コースです。避難小屋泊も有り背負う荷物も重く体力的にも厳しい山行に出かけました。

 登山初日は秋の好天に恵まれ、滑りやすい登山道をリュックの重さに耐えながらも周囲の景色を眺めて進み、頂上手前の急登も必死に頑張り、避難小屋近くで水を汲などしながら10時半ごろ駒ケ岳2003mの頂上に到着。頂上は芝草など生えており秋田駒より標高は高いのに易しい感じがしました。登り始めてから時々山中でボーと法螺貝を吹く音や太鼓の音が聞こえており山岳修験中の山伏3人が修行登山中と聞きました。駒ケ岳を下る頃から曇り空となり小走りに進み、中の岳の長大な岩場の斜面は滑り易く転倒しながらも頂上目指して登り夕方早目に頂上2085mに着く。中の岳は三山中で一番高い。着く前に少し展望が開けて尾瀬の山々を見た記憶が有ります。中岳の避難小屋には30人程の同宿者が居り、夕食は外で準備して食べ、小屋に寝る場所をなんとか確保し1泊した。

 登山2日目は、中の岳からの下りは急で滑り易くハシゴや鎖場も多い岩場道を歩く。私はロープ下りで両手にロープを握り宙ぶらりんのまま2回転しびっくり。リユックが重くバランスが崩れたもので、以後重心を考えて足位置を定めるべきだと反省。八海山に向かう頃には雨天で視界ゼロ、足元も見えないギザギザ峯が続き岩峰八つが東西に連なる山に進みました。やっと1つの頂上に登り詰めたと思っても又何度も大きく登り下りの山行が続き鎖場やハシゴも多数で疲労も蓄積し、八より遙に多数の頂上に登る様な感じでした。しかも峰渡りの登山道には、北風を受けて低木が南側に水平に倒れて生えており、紅葉盛りの左右の視界もゼロ、この上を渡り歩く途中、私はフワッと落ちて低木にぶら下がった。幸運にも無事でしたが何百メートルも崖下に落下しかねない状態で。後日の登山行きの度に、この時のことを思い出します。途中雨で崩落危険な岩峰を避けて安全第一と千本桧小屋に到着し泊まることにした。山伏修験者も到着しておりました。ここで食べた温かいツバ釜飯と味噌汁、フの煮付は誠に美味しく頂き、ふかふかのフトン寝も嬉しかった。宿別室には20人程宿泊者が居た。

 翌日ゴンドラに乗り道路に出て来た時と同じマイクロバスに乗り、温泉入浴。体重計での細身の我が体重が10kgも減少ており、よく無事縦走し帰宅出来たものだと思い同行者に感謝しております。