真昼女神縦走に参加して
風登 森一
入会して10年近くになるが、数ある事業の中で、私が参加したのは片手ほどしかない。それだけ私は不真面目極まりない幽霊のような会員ということになろう。こんな私に割り当てられたテーマについては、備忘録に「家出発6:15、家到着16:50。真昼山~女神山縦走に参加。約15㎞、およそ2万6千歩」とだけの書き込みしかなく、これをもとに当時を振り返ってみたい。
2016年6月12日、峰越登山口で軽く準備運動して、いざ出発。程なくして「ゴールまで体力が持つかな?」という不安に襲われた。登山経験の浅い、しかもこの年も足慣らし程度しかしていない状況で、いきなり約15㎞の縦走に耐えられるのかなと。
我が家からは、ほぼ真東に見える北の股岳、音動岳を初めて歩いた。「音動岳のピークはもう少し先だけど藪」ということでスルーしたのは残念であったが、それまで専ら赤倉登山口から真昼山のコースだけであった私にとって、余力を残して真昼の山頂に辿り着いたときは、正直ほっとした。
真昼山山頂から女神山のルートははじめである。女神山山頂まで約5㎞と聞いて、再び不安がよぎったが、仲間の愉快な話を聞きながら歩いていると、不思議と不安は薄らいでいった。ところが女神山最後の急登にバテそうになる。歯を食いしばり何とか山頂にたどり着いた。下山途中、膝や足に不安を感じたが、どうにかゴールの女神山登山口に辿り着いた。
低山ながら東北百名山2座縦走となると、「それなりに鍛えておかなければいけないな」と改めて思った。また、この事業に参加したことで、「登山の魅力」が徐々に明瞭になったと思っている。