羅臼岳・斜里岳
竹内 はるみ
今回の目的地は「北海道知床羅臼岳・斜里岳」です。目的地の登山口までは、フェリー、陸路を使い約三日間の道のりでした。長い移動を経てついた北海道ですが、あいにくの悪天候で、予備日を使用して網走刑務所、知床の観光を楽しみました。
当初の計画を変更し、先に羅臼岳へ登ることとなりました。登山前日に木下小屋へ泊り、翌朝登山開始です。樹林帯を通り、ヒグマの生息地に入ります。そこの植物は本州とは違い、花が大きく色もとても濃く非常に驚きました。その中でも印象的だったのが「エゾノツガザクラ」の群生です。ピンク系に分類される花ですが、実際には赤紫に近い色味で、とても印象的でした。そういった本州では見られない景色を経て到達した山頂からの景色はさらに印象的で、海に囲まれた景色の中に国後島がすぐに見えるという、「これぞ知床」という景色を堪能する事が出来ました。
次は斜里岳です。清岳荘登山口からのスタートで、沢登りをしながら山頂を目指します。沢登り自体は特に険しいわけでもなく、むしろ夏という季節も相まって涼しげで非常に楽しいものでした。登るにつれて水量が徐々に減っていき、稜線に近づいてきているのが分かります。コルにつく頃には、みんなの体力は限界で皆声を出すのも辛くなっていました。その時、佐藤和子さんがおもむろにレジャーシートを敷き、寝転びました。和子さんは「疲れて登れないから皆で山頂に行って来て、私はここで休んでいるから」と。ここで佐々木正さんが「山頂はすぐそこだ、ここまで来たんだから少し休んで皆で一緒に登ろう」と提案してくれました。疲労困憊の中、この言葉には皆救われました。その後皆で山頂を目指し、無事登頂することが出来ました。山頂ではリスが迎えてくれました。野生のリスですが、登山者に慣れているのか、はたまた学習しているのか、人を怖がらずに餌をねだっており、そのしぐさの可愛さは今でも鮮明に覚えています。
北海道羅臼岳・斜里岳は北海道という地域的特性はもちろんですが、期間も長かったため、今まで体験したことがない貴重な山旅となりました。